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ぐんぐんのインスタ

ESSAY

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 最近、仕事でインスタグラムというのをやらねばならんというのでやっているが、これは基本的にフォロワーを増やすことが至上命題といえ、しかしこれが中々難しくまったく増えないのだけども時々、まだ始めたばかりの僕が投稿した写真に、いいね!をしてくれる人があって、それはどんな人かなと、そのプロフィール欄を見てみたら、「コメ貰えると嬉しいです」と書いてあって、なるほど、少し食うに困っている、貧乏してるのだな、と思った。僕も窮するようなことがあれば、パン貰えると嬉しいです、と書いてみようと思った。

 みたいな事はどうでもよく、時折、いいね!を連弾してくれる海外の優しい人があり見てみると、浜辺やベッドの上でぐんぐん胸を強調した写真を掲載している女の人などが結構あり、フォロワー数などももの凄い数になっているのだけども、そのように浜辺やベッドの上でぐんぐん胸を強調した写真を投稿しているのにフォロワー数が少ない人がいないのは、浜辺やベッドの上でぐんぐん胸を強調した写真を掲載することによってフォロワー数が増えたのか、浜辺やベッドの上でぐんぐん胸を強調して写真を掲載するタイプの人は元来フォロワー数が多いのか、という事が気になってばかりいて、ちっともこちらのフォロワー数が増えぬ。と嘆いてばかりいてもあかぬので、そういう人達の投稿の傾向、構成を分析してみると、実に単純、ぐんぐん写真の他、スイーツの写真が散見される事に気付いた俺はしかし、男である為、浜辺やベッドの上でぐんぐん胸を強調してもあまり意味がない、しかしその本質とは何かといえば、ズバリ、エロスである。

 であるならば、同様価値、つまり代替エロスを投稿すればいいわけで、ぐんぐん考えてみた結果、いま俺のいる薄暗がりのバーカウンターにあるグラスの水滴などなるほど実にセクシーだし、灰皿で口紅に染まった、消えず燻る薄荷タバコなどは、はっきり言ってエロスそのものである。

 で俺はそれをすぐさま撮影投稿、また、スイーツを探したが、無かったので手近にあった小皿に載っている乾き物とナッツで代替することにして、それだけでは画としての訴求力、華やかさに欠ける、でイカの燻製とナッツでパンダを描きこれを即時撮影投稿した。

 これでフォロワー数が一万単位になるだろうと悦に入って飲み続け、酔いに任せ、事あるごとに、そのような写真を連投、翌日、勝利の美酒に膨れ上がった二日酔いの頭を抱えながら、フォロワー数の高を確認すべくみてみると、中年の独呑みフォト日誌みたいになっていた挙句、フォロワーはゼロであったよ。