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ティアドロップス

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 丁寧に掌に置いたにぎり寿司を凝視してから、頭上高く解き放ったのを斬る、或いは同じく手の中に包んだ銘菓ひよこにギンギンにメンチを切った後、宙空高くにリリース、落下のタイミングに同調、カエルの如くしゃがみ込んでから勢いよく飛び上がって斬る、とか、ジャイアンツの桑田よろしく、球にブツブツ話しかけてみたり、時には頷きながら押す、引っ叩く。

 そこには個性がみられ、またその独自性、唯一性が実力、才覚とも云え、そこから放たれる球は急激に平仮名の「し」みたいな動きをしてみたり、コートに触れるとあらぬ方向に跳ねたりするので、相手のセレクトを思考、予測しつつ適時対処、お好み焼きのコテのような物で打ち返すみたいな事を一所懸命にするスポーツ、女子の卓球の試合をテレビのライブ放送で観ていたら感動、思いがけず涙が出た。

 同日の夜、ビールを飲みながらお笑い芸人がその芸を競い合う番組をテレビのライブ放送で観ていると、半裸のおっさんが登場、古畑任三郎のモノマネをすると宣言、のち突如として、ハンマーカンマー、みたいなことを愉快痛快に叫びつつ踊り出したかと思うと、ついには乱舞暴舞しており、激したおもしろいおじさんの姿に僕は笑い転げ、涙、そのままソファから落下、柱に頭部を激打し、ダブルで涙が出た。

 涙ばかり流していてはあかん、という事でさっさと飲みに外へ出、知り合いのバーで呑み、朝、起きてみると宿酔い、蕎麦を食べようと財布をみたら、お金が全く入っておらないので、泣いた。

 

2016.3.08記